お疲れ様です
日々あらゆるローンのご相談をいただきますが、その中で最近気になる傾向があります。
それは若者からの“当行以外で利用している借入れの返済相談”が増えてきているということです。
特に、カードローンやアプリ内で簡単に借りることができる商品のご相談が多く寄せられています。
本日は実際に受けた相談内容を交えながら、現場で仕事をしていて思うところをご紹介します。
若者を取り巻く借入事情
2025/3/11に日経新聞にて、「消費者ローン残高が11年ぶりに高水準となった」という記事が出ていました。
記事によると、若年層によるスマホ経由での借入れが特に増えており、最近で始めたサービスの伸びが目立つとのことです。
冒頭に書いたとおり、現場レベルでも若者がスマホ経由で借入れをするパターンはよく見聞きしますので、リアルなのだと思います。
よくある相談内容
私の仕事で最もよくあるご相談が、
「毎月の返済がキツいので返済額を下げたい」という内容です。
毎月の返済額を下げる方法としては、ローンの借り換えを行い金利が下がるか、もしくは返済期間を延ばすかのいずれかのパターンとなります。
よしわかった、借り換えを進めていこうということで申込書類を集めてもらうわけですが、ここで問題点が…
最大の問題点
借り換えには、借り換えたいローンの内容がわかる書類の提出が必要です。具体的には返済予定表やカードローンの残高がわかるものです。
しかし、この書類が揃わないことがあまりにも多いのです。
言い換えれば、自分の借入れを把握していない人がかなりいるということです。
これが私の思う最大の問題点です。
若者に限った話ではありませんが、若者に多い傾向にあるのは事実。
「返済がキツい」という割に、「いつ終わるか」や「いくら借りているか」を把握していないことは金融リテラシー的にかなりまずい状況です。
さらにさらに
もっとまずいのが、
“そもそも借入れだと思っていない”人です。
こちらは審査で信用情報を見ているので概ねどんな借り入れがあるかわかった状態で対応しますが、お客様から借入れの申告が全く出てこないことがあります。
ルールとしてこちらから信用情報で得た情報をお客様に伝えることはできませんので、お客様から自発的に申告してもらうしかありません。
ちょっと攻めて、「たとえばアプリで分割払いの利用とかしてませんか?」とか聞いてみても「ない」とはっきり言う人がいます。
ここまで来ると、もはや自分でも借入れを把握できていないことになります。当然そんなものの借り換えはできません。
なぜ借入れを把握できないのか
私なりの考えは2つあります。
- アプリではローンという言葉が使われていない
- 口座の動きを見ていない
ローンという言葉が使われていない
銀行の審査では、アプリ内で利用した分割払いも借入とみなされます。
しかしサービスの名前が「◯◯ペイ」や「◯◯後払い」などであると、本人からすれば借入れではないと認識してしまうのでしょう。
これが審査側とお客様側で最も認識のズレが生じる部分です。
口座の動きを見ていない
皆さんは毎月の家計収支を内訳まで確認していますか?
自分の借入れを把握できない人の特徴として、家計収支を確認していないという点があります。
借り換えの相談時に、こちらの把握している借入れの情報がお客様から一切引き出せない場合は、メインで利用している通帳を最新の状態で持ってきていただきます。
すると、毎月引き落とされている「◯◯ペイ」などが見つかり、そこでようやく返済していることを認識します。
今やアプリで口座の動きを確認できる時代ですが、意外と若者でも見ていない人が多いのです。